ホームインスペクションは必須! リフォーム済戸建ての見学チェックポイントまとめ

かつての日本では、マイホームを買うなら新築物件を希望する方が多かったものですが、現在の日本では中古物件のメリットも評価されるようになり、「中古物件を買って自分でリフォームしたい」「リフォーム済の物件を買ってすぐに住みはじめたい」と考える方から人気を集めています。

夫・妻・2人のお子さんの4人で暮らすAさん家族も、リフォーム済の戸建ての利点に着目し、物件探しを始めています。中古物件の場合、実際の住宅を見学できることが多いのも大きな利点ですが、見学の際にはどのような点をチェックすればいいのでしょうか。また、中古物件で必須とされる「ホームインスペクション」とは何なのでしょうか。

リフォーム済戸建てはなぜ注意が必要なのか

築年数が経過した中古物件というと傷みの激しい住宅を思い浮かべるかもしれませんが、リフォーム済の戸建ては内装や外装がきれいに整えられているものが大半です。その状態を見学すれば、まるで新築同様に感じられることもあるでしょう。

しかし、いくらリフォームを施したとはいえ、築数十年が経過しているような木造住宅では住宅のさまざまなところで老朽化が進んでいると考えられます。日本の一般的な木造住宅の平均的な耐用年数は30年ほどとされており、使い方やメンテナンスによっては寿命を長引かせることも可能ですが、それでも経年劣化は免れません。

加えて、数十年前に建てられた戸建てでは、耐震性能や断熱性に懸念がある場合もあります。そうなれば、せっかく購入しても住める期間が短くなってしまう可能性もあるのです。リフォーム済の戸建てはそうしたことを十分理解し、注意を払ったうえで物件探しを行う必要があります。

リフォーム済の戸建てで確認しておきたいポイント

リフォーム済の戸建ての購入を検討する際にまず確認しておきたいのは、「どのようなリフォームを行ったか」ということです。外壁の再塗装や内装のクロスの張り替え、水回りの設備交換などがわかりやすい例ですが、柱や梁、床下といった構造体をきちんと確認し必要な補強工事を行っているかという点は特に確認しておきたいところです。

実際に物件を見学する際には、点検口から屋根裏や床下を覗いてみましょう。たとえば床下では、雨水の浸入やシロアリの被害の痕跡が見つかるかもしれません。そうした見えない部分にも手がかけられているかどうかというのは、中古の戸建てを購入するうえで非常に重要なポイントです。

物件見学では家のなかを歩いて部屋を見学しますが、床の感触で気になるところがないかどうかもチェックしましょう。古い戸建てでは断熱材が十分入っておらず断熱性能に欠けることもあるので、床の素材や断熱材の使用の有無についても合わせて確認しておきたいところです。

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購入前を決断する前にホームインスペクションを!

前述のとおり、リフォーム済の戸建てでは外装や内装、間取りや設備といった「見える部分」だけでなく、柱や梁、屋根裏や床下といった構造体に関わる「見えない部分」も注意深く確認する必要があります。とはいえ、物件見学ではそこまで深くチェックできないことも多く、建築に詳しくない購入希望者が確認できる範囲にも限度があります。

そこで利用したいのが、「ホームインスペクション(住宅診断)」です。これは、「ホームインスペクター(住宅診断士)」と呼ばれる専門家が物件を確認し、建物の劣化の状態や欠陥の有無、改修の必要な箇所などを調査するものです。有料ですが、第三者である住宅の専門家が確認することで、建物の状態をより正確に見極めることができます。

近年は、売り主や仲介する不動産会社があらかじめ利用するケースも増えつつあり、2018年からは、中古住宅の売買において不動産会社がホームインスペクションの実施の有無を説明することが義務づけられるようになっています。中古の戸建ての購入を最終決断する前に、ぜひ検討しておきたい調査です。

おわりに

リフォームやリノベーションで価値を高めることができる中古住宅は、今では積極的に選ばれるケースも増えてきています。リフォームやリノベーションが施された中古の戸建ての取り扱いも拡大しつつあり、中古の物件を希望する方にとっては“追い風”ともいえます。

しかし、リフォーム済の戸建てはメリットばかりではなく、注意してかからなければならない点もあります。実際の物件を見学できるのは中古の戸建てならではのメリットの一つであり、状態を見極めるために貴重な機会です。ホームインスペクションの利用も考えながら、慎重にチェックを重ねて購入を検討しましょう。