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「この家、ずっと空き家のままだけれど大丈夫かな…?」なんて思うお宅は近くにありませんか?住宅は人が住まなくなると凄まじい勢いで朽ちていくので、想像する以上に早く見た目にもボロさが出てくるものです。
そうなってくると、変な人が住み着いてしまったり、火災の原因になったり、近隣住民からすると心配事になりますよね。今回はそんな空き家に焦点を当てて、さまざまな活用方法をご紹介します。
空き家問題が深刻化している
「空き家」という言葉からは、どうしても何もない野原にポツンと建っているボロ屋という印象を持つ方も少なくないかもしれません。確かに、地方都市でも空き家が大変大きな問題となっています。しかし、空き家問題を抱えているのは何も田舎だけではありません。
2015年5月には空き家対策特別措置法が施工され、同年10月には神奈川県横須賀市で全国初となる行政による空き家の取り壊しが行われました。
長く空き家の状態が続いたことにより倒壊が起きたり、火災になるのでは…という周辺住民の不安を取り去るためにも措置が取られていますが、その措置では間に合わないほどの空き家が産まれ続けている現状があります。
主たる原因は人口減少によるものですが、高齢化社会や雇用場所の集中などさまざまな現代社会の問題を複雑に絡ませながら「空き家問題」はその勢いを日々増しています。そして現状でも大きな問題である「空き家問題」は、今後さらなる問題へと発展していく恐れがあると言われてもいるのです。
空き家を上手に活用した4個の事例
行政が強制的に撤去せざるを得ないほど近隣住民に迷惑ばかりかけるイメージとなった空き家ですが、どうして日々増えていってしまうのでしょうか。
その理由は、相続などを経て住居を譲り受けたものの、有効な活用方法が思いつかないまま固定資産税の支払いや維持管理に苦悩し、放っておいてしまう人が急増したからです。
そんな持て余してしまった空き家は、どのように活用したらいいのでしょうか。これまでに上手に活用することのできた事例をご紹介します。
大家さんになる:住居として活用
一番手っ取り早い方法として、「賃貸物件として貸し出す」という方法があります。そうすれば、大家さんとして入居した人から家賃をいただき、収入にすることができます。
もし空き家になってしまった住居が一軒家の場合には、一人(もしくは一家族)に貸し出すのではなく、シェアハウスとして複数の人に貸し出すこともできます。
最近ではそのような物件が大変話題となっていますし、一人暮らしよりも経済的にも精神的にも負担の少ないシェアハウスでの暮らしを希望している方は想像以上にいます。そんな方々の役にも立てて、一石二鳥ですね。
オーナーになる:会社・事業用として活用
空き家となっていた場所を、住居としてではなく店舗や事務所といったテナントとして再利用する方法もあります。
この場合には、住居以上に立地条件が重要なキーとなってくるため、どのような空き家でも可能なわけではありませんが、家賃収入が得られるという意味ではとてもメリットの多い方法です。
ただし、オフィスとして使ったり、お店をオープンするためには内装を大幅に変更することになるので、元に戻すのが困難であることは予め考えておきたいところです。
さら地にして活用
もし、譲り受けた空き家が使いものにならないほどのオンボロである場合には、いっそのことさら地にしてしまいましょう。
建物があるままだと使用方法は限られてしまいますが、さら地にしてしまえば月極の駐車場やコインパーキング、倉庫などさまざまな使いみちがうまれます。
また、住居がある状態とは違って管理の手間が省けますので、空き家の管理方法で頭を抱えていた方には一番オススメの方法かもしれません。
いっそのこと売却する
これは活用とは言えないかもしれませんが、手っ取り早く現金化することが可能で、一番手間の要らない方法です。空き家のまま売却するためには、空き家の立地条件や住居の状態なども関係してくるので一概に簡単だとは言えませんが、まずは地元の不動産会社に相談してみるといいでしょう。
空き家も手を加えれば価値の高いものになる
ここまで空き家の活用方法をいくつかご紹介してきましたが、どれかピンとくるものはありましたか?
もし、あと一歩踏み込んで空き家を活用する気持ちをお持ちでしたら、実はさらなる収益や注目に繋げる方法もあります。当然相応の手間はかかりますが、成功例が実際にありますので参考になると思います。
活用例1:里見古民家の宿「荒蒔邸」
築150年を超えた古民家を改修し誕生した里見古民家の宿「荒蒔邸」は、もともとの家屋の雰囲気をあまり変えないことで、かえって都会では味わうことのできない古民家特有の雰囲気を楽しめるようにした会員制の農家民宿です。
「これ、昔話で見たことある!」と大人もはしゃいでしまいそうな囲炉裏(いろり)や、かまどが残されている一方で、現代人も不便することがないようにカウンターバーなどが併設されていて快適です。
コンクリートジャングルで闘う戦士たちのための憩いの場として人気を集めています。
活用例2:コミュニティスペース「浜屋敷」
大阪府吹田市にある「浜屋敷」は、吹田市が歴史と文化をまもり、まちづくりや交流の場として活用できるように、古民家をリノベーションして公共施設にしたものです。
内部を自由に見学することができ、吹田市の歴史やこれまでの発展に関する資料、伝統芸能に関しても学ぶことができます。季節折々にイベントも行われているので、参加してみると雰囲気がわかりやすいでしょう。
活用例3:空き家再生プロジェクト:広島県尾道市
瀬戸内海の大自然に挟まれた広島県尾道市では、空き家を再生するプロジェクトが行われ大変評価されています。住民の高年齢化と空洞化により空き家が急増した尾道市では、まず「ガウディハウス」と言う建築物を再生しました。
ただ空き家をリニューアルするのではなく、コミュニティーや尾道市の文化、観光、芸術などといったものとのシナジー効果も加味して編み出したプロジェクトが大変注目されています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今は空き家なんて自分には関係ないと思われている方でも、いずれご実家を相続することになるかもしれませんし、結婚したお相手のご実家やそのご両親が持っているその他の住居、土地を譲り受けることになるかもしれません。空き家問題は誰にとっても決して他人事ではないのです。
だからこそ、今から予備知識をきちんとつけておき、もしそのようなことになった時にもあたふたしたり、放置して空き家になどせず、すぐに活用方法を考えられるようにしておきましょう。
上手に活用ができれば、地域のためにもなりますし収益につなげることだってできるのが空き家なのです。今すでに空き家でお困りの方は、早速今回ご紹介した活用方法の中で実践できるものがあるか確認してみてはいかがでしょうか。
最終更新日:2018-02-20