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マイホームブック(byスターフォレスト) > コラム > 24時間換気システムの仕組みと種類ごとのメリット・デメリット

2019-12-26

最終更新日:2019-12-26

24時間換気システムの仕組みと種類ごとのメリット・デメリット

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  • 24時間換気システムとは?
  • どのような種類があるの?
  • 換気扇とは違うの?

この記事では24時間換気システムに関する上記のような疑問にお答えしていきます!

賃貸物件を探して物件情報を見たことがある方なら、「24時間換気システム」という言葉を目にしたことがあるでしょう。2003年の建築基準法改正を受けて、それ以降に新築された賃貸住宅には24時間換気システムの設置が義務づけられたことから、24時間換気システムが備わった物件が増えているのです。

この24時間換気システムとは、どういう仕組みで換気しているのでしょうか。また、24時間稼働する換気システムということで、電気代はどうなるのでしょうか。24時間換気システムの仕組みと、3種類ある換気方式の違いなどについてご紹介します。

24時間換気システムとは?

24時間換気システムに関するポイントをまとめると以下のようになります。

  • 24時間換気システムとは強制的に室内の空気を入れ替える換気設備
  • 24時間換気システムの種類は3種ある
  • 部屋全体を換気できる点で換気扇とは異なる!

24時間換気システムは、2003年以降に建てられた新築物件には必ず備わっている設備です! 種類は3種類あり、それぞれでメリットやデメリットは異なっています。

物件を購入した後に後悔しないためにもポイントをしっかりと確認していきましょう!

24時間換気システムとは強制的に室内の空気を入れ替える換気設備

24時間換気システムとは、強制的に室内の空気を入れ替える機能をもつ換気設備を指します。現代の住宅は高気密・高断熱化し、その恩恵を受けられるようになっていますが、その反面、建築資材などに含まれる化学物質からアレルギー症状やシックハウス症候群を引き起こしてしまうケースも増加しています。

そこで、2003年の建築基準法改正で、それ以降の新築物件に対して24時間換気システムの設置が義務づけられたのです。24時間換気システムが設置されている物件では、「換気をOFFにしないでください」といった注意書きがあることもあります。

24時間換気システムは、アレルギー症状やシックハウス症候群に対しては非常に有効ですが、常に電気機器がまわっている状態であるため電気代などのランニングコストがかかります。加えて、冷暖房効率が悪くなったり、フィルタの定期メンテナンスが必要になったりすることもあるといったデメリットもあります。

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24時間換気システムの種類は3種ある

24時間換気システムは、外の空気を室内に取り込む「給気」と、室内の空気を外に排出する「排気」の方式によって、次の3種類に分かれます。

第1種換気システム

空気の給気と排気の両方を、ファンで強制的に行う換気方式です。空気の取り込みにも排出にも機械を使うことで3種類のなかで最も安定して正確に換気を行うことができるとされる方式です。給気時の押し出す力や排気時の吸い出す力がかからないため、気密性の高い住宅でもドアが開けにくくなるようなことはありません。

デメリットは、初期費用・維持費用ともに高コストであること。入居者の立場で気になるのはランニングコストですが、ファンが2つあるこの方式では消費電力も2倍になります。

第2種換気システム

空気の給気はファンで強制的に行いますが、排気はファンを使わず、室内の排気口から自然排出する方式です。室内の空気は、ファンで取り込まれた外の空気の押し出す力によって、排気口から自然に出ていく仕組みです。この方式は、一般住宅で使われることはほとんどありません。

第3種換気システム

第2種換気システムと反対に、給気は室内の給気口から自然に行いますが、排気はファンを使って強制的に行います。室内の空気がファンで強制的に排出されると、その差圧で給気口から外の空気が取り込まれます。

最も安価で、第1種に比べてランニングコストもおさえることができるため、マンション物件の多くでこの方式が採用されています。

しかし、外の空気をそのまま取り込むため、PM2.5などの屋外の汚染物質も室内に入ってしまいます。また冷暖房効率が非常に悪く、「夏は暑いし冬は寒い」と言われてしまうことも。

家全体を換気できる点で換気扇とは異なる!

空気を換気してくれる代表的な設備としては「換気扇」があります。換気扇があれば24時間換気システムは不要なのではないか? と考える方も中にはいるかもしれません。しかし、24時間換気システムと換気扇は「家全体を換気できるか?」という点で大きく異なるのです!

換気扇は「局部換気」といって、設置されている部分の空気だけを局部的に換気します。トイレについている換気扇ならばトイレの空気だけを入れ替えてくれるのです。

一方、24時間換気システムは「家全体」を換気することが可能で、住まい全体の空気を正常化してくれます

また、換気扇と24時間換気システムはパワフルさにも違いが存在しているのです。局部的な換気システムである換気扇はすばやくパワフルに空気の入れ替えを行います。一方、24時間換気システムは家全体を穏やかに空気の入れ替えを行うのです。

24時間換気システムでは、すぐに消したい局部的な臭いに対処できませんし、換気扇では家全体を換気することはできません!

それぞれに強みとすることや特徴が異なるので、どちらかがあれば片方は不要というものではないのです。

24時間換気システムを使用する上での注意点!

24時間換気システムを使用するにあたっては注意しておいたほうが良い事柄が存在します。確認しておきましょう!

定期的なフィルタ掃除が必要!

24時間換気システムは定期的に掃除をしなくてはなりません! 仮にフィルタ掃除を怠ってしまうと、埃がつまって騒音が発生したり異臭の原因になったりしてしまうのです!

換気システムの給気口は、簡単に開けることが可能ですから、数か月に一度は確認してフィルタを取り外すようにしましょう。そして、埃がつまったりしていれば、掃除機で吸い取るようにします。もしも、汚れが酷ければ中性洗剤で優しく洗うようにしましょう。数年使用して壊れてきてしまったならば、新しいものに取り替えるようにします。

台風や強風の時は一時停止する!

24時間換気システムが稼働していると、室内と室外がつながった状態になってしまいます! そのため、台風や強風による風が換気システムを通じて入ってきてしまう可能性もあるのです。また、風切り音が聞こえてくる可能性もあります。

台風や強風の時は、説明書などを読んで、一時停止するようにしておきましょう。そして、風が落ち着いてきたら、再起動するようにします。

寒いときは一時停止したり風量を調整する

24時間換気システムを使っていると、冬場などに家がうまく暖まらずに寒い思いをすることがあります。このような場合は、まずは風量を調節して、暖めた空気が外に排出されないようにするのが大切です。

風量を調整しても寒いならば、一時停止するのも一つの手段といえます。ただし、24時間換気システムを完全に切ってしまうと、空気がよどんだりシックハウスの原因になったりしてしまうので、一時停止するのは1日のうちの数時間だけにしておきましょう。

壁紙が黒ずむ場合はフィルタを取り替える

24時間換気システムの換気口周りの壁紙が黒ずむことがあります。これは、屋外の排気ガスや埃が換気口から入ってきていることに原因があります!

フィルタが正しく設置されているか、汚れていたり壊れていたりしないかを確認して、対処していくと黒ずみ汚れを防止することができます。

定期的にしっかりとお手入れをするようにしましょう!

換気口から虫や音が侵入してくるならば防虫防音カバーをつける

換気口には当然のことながら、空気を通すための穴や隙間が開いています。この穴を通じて、虫が侵入してきたり外部の音が伝わってきたりすることがあるのです!

換気システムを一時停止したとしても、穴が閉じるわけではありませんから、害虫や音は入ってきてしまいます。

このような場合は、換気口に後付け設置可能な「防虫カバー」や「防音カバー」が存在していますから、購入して装着するようにしましょう!

快適な暮らしに換気システムは欠かせない

室内の空気は、実は意外と汚れがちなものです。その筆頭が、人間が呼吸して吐き出す二酸化炭素でしょう。キッチンで料理をすれば、燃えかすやにおい成分などが部屋を漂うことになります。換気をしなければ、こうした空気が室内に止まることになります。

そうならないよう、汚れた空気を排出して新鮮な空気を取り入れるためには、換気システムが欠かせません。住宅も高気密化し、共働きなどで日中換気する時間がとれない家庭が増えている今、24時間換気システムの存在は快適な暮らしに不可欠の存在なのです。

おわりに 24時間換気システムをしっかり理解して物件を選ぼう!

マンションを賃貸で借りる入居者にとっては、24時間換気システムの種類を自分で選ぶということはほぼないかもしれません。しかし、その仕組みを理解しておくことで、どのような影響が起こる可能性があるかをあらかじめ想定しやすくなります。そして大切なことは、必要なメンテナンスを忘れず、24時間換気システムを正しく使うということでしょう。


最終更新日:2019-12-26

 

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